漫画を一人で描いて一人で楽しんでいた頃は、誰かに自分の漫画を見てもらいたいなんて微塵も思わなかった。
しかし、ある時をきっかけに漫画を見られ、読者の反応を見る喜びを知り、それからだ。
それから僕の漫画を見てもらいたい病は始まった。
それまでも……画用紙に描いた絵だとか、ノートに描いた絵はわりと人に見せていたように思う。そして、上手だと褒められてさらに見せたくなった。
今思えば、子供の頃の「上手だね」はお世辞というか、何というか……
しかし漫画に関してはそうではなかった。
四コマ漫画なら、まぁ見てもらいたいとは思っていたのだが、そうではない漫画は見せるのが恥ずかしかった。
あれ?なんか前にも似たような話題があったような……
これか?
ごく一般的な漫画。ギャグ漫画ではない漫画。つまりはコマ割りがあって、ストーリーのある漫画は見せるのが恥ずかしかった。
何故恥ずかしかったのか?
それは、真面目な内容だからだろう。
まぁ、何故恥ずかしかったとかは置いといて、それまでギャグ漫画ばかり描いていた僕は、思い切ってストーリー漫画も友達に見せてみた。
下手くそな絵で進むストーリーは、一種のギャグ漫画のように思えるが、その時の僕はそれが真剣に描いたストーリー漫画だったのだ。
友達の反応がどうだったかはよく覚えていないけれど、一度ストーリー漫画を見せたことで、ギャグ漫画からストーリー漫画へ自分の描くジャンルが移行していった。
それから思いつくストーリー漫画を描きまくって、友達に見せまくったのだ。
友達の気分などお構いなしに見せまくった。
そして感想を望んだ。
感想をもらいたくて見せまくった。
見せて見せて見せまくった。
……
さぞかしウザかった事でしょう(;´Д`)
今もなお、描いたネームを友達に見せたりはしている。
僕の見てもらいたい病は、まだ治っていないようだ。
いや、治さなくても良いモノなのかもしれないな。
それがあるから、今もなお僕は漫画を描けているのかもしれない……