自由な漫画描き~最下層漫画家の活動記録~

辻井通記、マシュのり、ねこがめなど、様々な名前で活動しています。こちらではその活動内容を公開していきます。

漫画家として生き残るのは難しいって話


はっきり言って、自分は漫画賞を取れるとは思っていなかった。

自分の漫画が雑誌に掲載されるとは思っていなかった。

 

そんな未来を想像できていなかった。

 

でも、雑誌に掲載されてから思ったけれど、そこから漫画家として生き残るのが鬼のように難しい。むしろ雑誌に掲載されるのは、

 

漫画を賞に応募し続けたら、いつかは叶う未来

 

だったのだ。

 

僕が想像できなかった未来とは、わりと多くの人が叶えられる未来だったのだ。

 

そこから漫画家としてどう生き残るか?ってのが、ほんと難しい。

何回も連載を持てている人は本当に尊敬する。

 

漫画家としてのセンスがあるのだろうし、運もあると思う。

そして何より、

 

自分と合う雑誌を見つける事

 

が大事なのだと思う。

 

僕は最初、少年誌にばかり応募していた。

画力が無かったので、ギャグ漫画を描いたり、ストーリー漫画を描いたりなんかもした。一年に一回のペースだったが、ほんともう、カスりもしない。

 

(それでも投稿したら、結果発表の号が発売されるまで「受賞」という淡い期待を抱いていた。でも、賞を取ってから知ったが、結果発表がある頃には既に編集者さんから連絡が来ているものなのだ)

 

ぜんぜんダメだなぁと思いながら、応募する雑誌を変えてみた。

青年誌のほうでチャレンジしてみたのだ。

 

自分の作風に合う雑誌はどこだろう?と思い、僕はアフタヌーンを選んだ。

そして、「僕らはみんな壊れてる」という読み切り漫画を投稿してみた。

しかし落選。まぁ、そんなに甘くないよな……と気を取り直す。

 

そして次に「晴れるや」という100ページ越えの読み切りを投稿した。

(その賞はページ数無制限なので、無茶をしてみた)

 

かなりのページ数だったので、一日最低1ページを目標に描いていき、そして2か月半ぐらいかけて描き上げた。構想も合わせれば半年はかかってるんじゃないだろうか?

 

そんなこんなで賞に応募して編集さんから連絡が来るのを待つ。

しかし、待っても待っても来ない……

結果発表の号が発売される日が迫ってくる。

 

あぁ、結構頑張ったのに、今回もダメか……とすでに諦めモードだった。

 

就職しようかな……と携帯電話でポチポチと求人を探していたら、知らない番号から電話がかかってきた。

 

そして、今の担当さんとのやり取りが始まったのである。

 

その読み切り漫画「晴れるや」の結果は準入選。

その賞を取った漫画は雑誌に載る事はなかったが……

 

あの頃から長い年月が過ぎた。

「この街のセピア」という読み切り(デビュー作)が雑誌に載り、それからまた担当さんと読み切りを作り、それが再び準入選という結果だった。

 

そしてその漫画が雑誌に掲載された。

 

それが以前紹介した「ブレインライフ」である。

comic-days.com

 

それ以降、パッとしないわけですが……

連載会議が通れば良かったのに……と未だにちょっと引きずっている。

 

漫画家として生き残るのは本当に難しい。

でも、好きなように描いた漫画を、ネットで色んな人に見てもらえるのは本当に良い時代だなと思う。

 

お金にならなくても、結構満足している。

でも、いつか漫画だけで暮らせる日が来るように、僕は未来を見ている。

 

わりと想像できる未来なので、頑張れる気がする。