常識をぶち破れ

まだ漫画賞を頂く前の話だが、僕はある事を思った。
漫画でしか出来ない表現方法があるのではないか?
何でそんな事を思ったのかと言うと、例えば小説は文字だけでストーリーを表現している。
その文字だけしか使えない表現方法だからこそ出来るトリックがあったりする。
具体的に言えば、小説内の人物が「私」という一人称で語っていたら、読者はこの人物は「女性だ」と思うだろう。しかし、男性だって「私」という一人称は使う。すると、物語のオチで、女性と思っていたのが男性だったというトリックを使える。
そのトリックが読者にどんな衝撃を与えるかは置いといて……
しかし、この一人称のトリックは小説だから出来るのではないか?と思うのだ。
小説は文字情報だけなので、そこにいる人物がどんな人間なのか読者が想像するしかない。
だが漫画では必然的に絵が付いてくるので、そのトリックも出来ないだろう。
いや、やろうと思えばいくらでも手段はあるが……
映画でも、映画でしか出来ない表現があるはずだ。
そんな感じで漫画ならではの表現方法はないかと、若いころの僕は考えてみた。
そして、漫画でしか使わないモノを見つけた。
それは「コマ割り」である。
このコマ割りを使ったギミックはないものか?と思い、僕はコマ割り自体を絵として表現してみた事がある。
例えばこんな感じ↓

↑いや、即興で描いたとはいえクオリティが低い!!ダメじゃん!!
なんだこの絵は……(;´Д`)
上の絵はさておき、これは面白いぞ!と思った。
漫画家の神様である手塚治虫先生も、わりとコマ割りを利用した面白い表現をしていたように思う。
そして、賞をもらって担当さんが付いてからすぐの頃、僕はその表現方法で描いたネームを見せてみた。
すると……
「普通に描いた方が良い」
という結果になりました。
それから僕は普通に描いているのでした……
常識をぶち破ろうとしているのに、常識という壁に遮られるという、この世の厳しさ……
でもなんか、そんな常識破りな漫画をまた考えてみたいなと思うのでした。
今回はこんな話でした。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
ではまた!