漫画を描くという遊びを見つけてからどれぐらい経っただろうか?
本格的に描く前から数えるならば、それこそほんと30年は経つのではないだろうか?
人生の大半を漫画を描く事に頭を使ってきた。
もちろんその他の創作活動もやったりはしていたけれど、結局いつも漫画に戻ってくる。
まぁこんな話は再三書いてきたわけですが……
創作活動はゴールの無い旅なのかもしれない。
近くの目標に向かい歩き、そこに到達すれば次の目標に向かい歩く。
そうやって、次から次へと目的地を変えていく。
ゆっくりと時間をかけて歩く時もあれば、少し早歩きで進む時もある。
定めた目標地点に到達できない事もあるけれど、すぐにまた別の目標を探し歩きだす。
歩くのを辞めようと思った事もあるが、辞める事ができなかった。
漫画家の旅を辞めるという事は、すなわち今までの自分の人生を否定するのではないかと怖かった。
今までやってきた事を無駄にするのではないかと怖かった。
だから僕は、やっぱり歩き続けた。
歩いて歩いて、気が付けば立ち止まるという選択肢も消えていた。
人生なんて、生きていればどうとでもなる。
だから生きているうちは好きな事をしたいと思った。
自分が望む道を歩いて、自分の見たい景色に出会いたい。
足が痛くなる事もある。
別の人生を想像する事もある。
だけどもう遠くに来すぎてしまって、引き返せない旅になっている。
引き返したところで、どうせまた漫画家の道を歩くのだ。
だったら振り返るのはやめよう。
歩き続けるのだ。
そしていつの日か……
いつの日か自分の夢見た場所へ……