現実は一つ前に戻るコマンドがない
これはいったいどういう意味かと言うと、デジタルとアナログの違いって事です。
アナログで描いていた頃は、ペン入れの時に下書きの線からインクがはみ出したり意図しない部分にインクが付いてしまった時は修正をする必要がありました。
修正液やホワイトを使い、はみ出した部分を白く塗りつぶすわけですね。
そしてその上からまたペンで描いたりするわけです。
でも僕は、その修正が苦手でした。
ホワイトなんて今でも使いこなせていないです。
例えば黒い背景にホワイトで描きたくても、ホワイトが乗らないのです。
でも、プロとかの描いているのを見たら、普通に描けていたり……
僕はその時決めました。
ホワイトなんて使うモノか……(いや、練習しろよ)
その点、デジタルは便利です。
一つ前に戻るコマンドがあるので、それを押せばミスした部分が瞬時に消えて元通りになります。
一つ前だけじゃなく、いくらでも前に戻れるのです。
逆に、やっぱりさっきの描いたモノを表示させたいとなったら、やり直しコマンドがあります。
背景を黒くして、白で線を描く事も容易いです。
スラスラ描けます。
そうやって、デジタルに慣れ過ぎていると、現実で絵を描こうと思った時に、ミスをした時に一つ前に戻るコマンドがなくて焦ります。
一瞬そのコマンドを探したりします(わりと真面目に)
そういう時はもう、大人しく修正液を使ったり、誤魔化したり、1から描き直したりしますね。
でも、そういうミスした時の対処法が色々あるのがアナログの良いところなんだろうなと思います。
そうやってミスした時にどういう方法をとるのか考えるのが少し面白かったり、自分の作品を読み直した時に、「あぁ、この時こんなミスして、こんな修正したなぁ」とか感傷的になれたりするんですよね。
そして、明らかに描く技術は身に着くと思います。
デジタルは何度でもやり直せる分、ついつい同じ絵に時間を掛け過ぎてしまいますが、アナログの場合は「この辺にしとくか……」と、自分を納得させて次に行くんですよね。
それはそれで味のある作品が描けて良いように思いますね。
デジタルが良いとかアナログが良いとか、どっちが一番なんてものはありませんが、漫画を描くために使えるものは何でも使って行けばいいのではないだろうか?とか思ったりします。
まぁ、僕は今のところデジタルだけで描いていますが……
それが僕に合った方法だからなんだろうなと思います。
単純にデジタルで失敗を気にせず気兼ねなく描けるのは楽しいですしね。
っとまぁ、今日はそんなお話でした。
ではまた!